2024年10月11日第1836号
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【2024年10月11日 第1836号】
2024年10月11日 第1836号 抜粋
劣勢を認めた上での「終わらせ方」
政井 孝道
ウクライナに対するロシア侵攻の「終わらせ方」について、日経が「ウクライナ 劣勢認め戦略転換を」という英紙エコノミスト誌の「提案」(10月1日「Deep Insight」)を載せた。何回読んでも、具体的な展開が予想しがたく、戸惑う。が、まずウクライナ劣勢を認めたうえで議論をする点で、日本メディアとは異なると思う。大いに参考になる。
要旨は①ウクライナ軍は領土の奪還どころか戦線の維持にも苦労している。「奪還」を主張し続ければ支援国を遠ざけ、国内分裂を深める②国民に「勝利」の意味を率直に語るべきで、それは「領土」ではなく「民主主義国としての存続」だ③ロシアにこれ以上攻勢をかけても無駄だと悟らせるため、和平合意の有無にかかわらず、戦闘を実質的に終わらせるため、支援国は武器供給を増やすべき――という。これは、NATOが狙っていることだろう。
同紙の主張はさらに、④ロシア奥深くの軍事目標を攻撃できる長距離ミサイルなど革新的武器の増強⑤分断され休戦協定がない(今の)ウクライナをバイデン米大統領がNATO に招待すべき、と踏み込み、⑥すでに占領されているウクライナ領土についてはNATOによる「攻撃」対象にしない、と提案する。
NATOを巻き込んだ戦争をも想定しているとも取れ、一瞬ぞっとする。 ゼレンスキー大統領の「勝利計画」の報道にとどまる日本メディアに慣らされた私には、この提案が持つ和平の可能性、大戦争への危険性を、具体的に考える準備ができていない。このような、現状をシビアにみた上での停戦論議を日本メディアはいつ始めるのだろうか。
(まさい・たかみち)元朝日新聞記者。
デスクからの一言
石破茂首相は10日から、ASEAN関連首脳会議出席のため、ラオスを訪れている。今回の首脳会議の焦点は海洋進出を強める中国への対応とともに、3年ぶりに出席したミャンマー軍事政権への対応である。ところが、ビエンチャンで石破氏を出迎える日本の外交団のなかにミャンマー大使はいない。丸山市郎駐ミャンマー大使が直前の先月27日に離任したが、後任の大使がいないどころか、内定すらしていない。吉武将吾公使が臨時大使を務める。「後任大使の信任状を出せば軍事政権を認めたことになる」というが、明らかに外交格下げだ。「戦後一貫してミャンマーに積極関与してきた日本外交の歴史的転換」だ。外務省に人材がいないのか、戦略的外交判断ができないのか。「初デビュー」は恥じかきの旅である。(今西 光男)
このたび、メディアウオッチ100から「志高く WORK HARDで がんばらなあかん」玉井義臣 ― あしなが運動のすべてを語る が2012年9月10日(月)に出版されました。連載中から大反響のあった「あしなが運動半世紀の真相を語る」と題した連載記事を大幅に加筆した上に、東日本大震災の発生直後から動き出し、これまでに遺児2058人に各200万円、総計約41億円を送った救済活動や、これからの運動の重点にしているアフリカのエイズ遺児たちの救済活動への展望などを長時間のインタビューで存分に、語ってもらいました。本誌初出版です。詳しくは「出版物紹介」ページをご覧ください!
連合初代会長
山岸 章 氏
いまだから語る・政権交代の真相と現実
2012年5年30日リリース
日銀理事OB
緒方 四十郎 氏
日本は今こそ経済再生にチャレンジを
2012年4年23日リリース
あしなが育英会会長
玉井 義臣 氏
あしなが運動半世紀の真相を語る
2012年4年30日リリース
社会運動家・社会運動研究家
渡部 富哉 氏
白鳥事件は冤罪ではなかった!
2012年3年16日リリース
憲法学者
杉原 泰雄 氏
危機の今こそ『憲法』を読み直そう
2012年2年15日リリース
財団法人・日本サッカー協会会長
小倉 純二 氏
2015年の時点で日本代表チームの世界トップ10入りを目指す!
2012年1年30日リリース
元公明党委員長
矢野 絢也 氏
中央政界を45年間、見続けて
2011年12年14日リリース
産経新聞OB・帝京大学名誉教授
福井 惇 氏
昭和の事件記者が吼える「記事は足で書け!」
2011年10年28日リリース
元内閣官房長官・大蔵大臣
武村 正義 氏
今こそ新たな政治改革を実行する時だ
2011年9年9日リリース
元内閣官房長官・自民党幹事長
野中 広務 氏
混迷の時代を斬る
2011年8年24日リリース
劇作家
山崎 正和 氏
新聞は責任感ある第4の権力であり続けてほしい
2011年7年18日リリース
ジャーナリスト
本多 勝一 氏
私のメディア論
2011年6年29日リリース
●新聞・テレビ・ネットで伝えられない情報を週3回発信
●新聞各紙OB や学者、弁護士、企業トップら同人186 人が執筆
●東日本大震災直前の2011 年3 月から発信、1400 号を突破!
●特別インタビューで秘話を掲載(本多勝一氏、山崎正和氏、野中広務氏、武村正義氏、福井惇氏、矢野絢也氏、小倉純二氏、杉原泰雄氏、渡部富哉氏、玉井義臣氏、緒方四十郎氏、山岸章氏)
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