2025年12月12日第1951号
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- ・表明すべきは「毅然」より「冷静」 (脇 正太郎)
- ・NHK新会長 注目される「政治との距離」(天野 勝文)
- ・被団協、劉暁波氏、そしてマチャド氏 (井上 協)
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「暴言」癖③――シカ発言 (沖 真治) - ・欧州の選択と和平への道 (下斗米 伸夫)
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- 脇 正太郎/井上 協

【2025年12月12日 第1951号】
2025年12月12日 第1951号 抜粋
表明すべきは「毅然」より「冷静」
脇 正太郎
「冷静かつ毅然と対応する」。中国軍機の自衛隊機へのレーダー照射の後、高市早苗首相が記者団を通じて表明した。偶発的な軍事衝突が生じかねなかった。求められるのは「冷静」であり「毅然」ではない。意図しない衝突を防ぐための枠組みの速やかな確立こそ喫緊の課題だ。「存立危機事態」発言の撤回が前提になる。
「『働いて』ある日起きたら『戦って』」。9日付朝刊の朝日川柳が、右派受けを狙う“勇ましい発言”の危険を活写している。秋田県の根元俊美氏の作品だ。「台湾有事は日本有事」と言い募っても、国際法の根拠は希薄。国際社会の支持を得るのは難しい。
国内ではリベラル層にさえケンカ両成敗のような議論が横行している。だが、内閣法制局長官を務めた宮崎礼壹氏が朝日新聞(デジタル版)のインタビューで諫めている。「安保法制が合憲だと仮定しても、法的に見れば台湾有事に集団的自衛権すなわち存立危機事態が成立する余地はそもそもない」。根拠規定は国連憲章51条で、国連加盟国に対する武力攻撃が前提条件。台湾に対しては「集団的自衛権の国際法上の前提条件がない」。加盟国ではないためだ。
(わき・しょうたろう)時事通信社を経て、朝日新聞OB。
デスクからの一言
今日(12日)の朝日「天声人語」はノーベル平和賞を取り上げている。受賞したベネズエラのマチャド氏は独裁色を強める政権の圧力で出国が難しく、授賞式の半日後に、ようやくオスロに現れた。「天人」は15年前の2010年の平和賞授賞式の取材経験を書いている。この年の受賞者は中国民主活動家の劉暁波氏。獄中にあり、授賞式には出席はかなわなかった。<会場の市庁舎に姿はなく、金色のメダルが置かれていた><授賞に反対するデモをしていた中国人男性は私に語った。「民主化よりも経済成長だ」>。その民主化は後退し、劉氏は17年に獄死した。〈私〉と記す「天人」の筆者は郷富佐子記者である。マニラ、ローマ、ジャカルタ、シドニーの各支局長を歴任した国際記者。ローマ時代の取材経験だろう。いまの「天人」筆者は郷氏を含め3人。取材経験と識見が問われるコラムの筆者は「匿名」ではなく「署名」とすべきだ。(今西 光男)
このたび、メディアウオッチ100から「志高く WORK HARDで がんばらなあかん」玉井義臣 ― あしなが運動のすべてを語る が2012年9月10日(月)に出版されました。連載中から大反響のあった「あしなが運動半世紀の真相を語る」と題した連載記事を大幅に加筆した上に、東日本大震災の発生直後から動き出し、これまでに遺児2058人に各200万円、総計約41億円を送った救済活動や、これからの運動の重点にしているアフリカのエイズ遺児たちの救済活動への展望などを長時間のインタビューで存分に、語ってもらいました。本誌初出版です。詳しくは「出版物紹介」ページをご覧ください!

連合初代会長
山岸 章 氏
いまだから語る・政権交代の真相と現実
2012年5年30日リリース

日銀理事OB
緒方 四十郎 氏
日本は今こそ経済再生にチャレンジを
2012年4年23日リリース

あしなが育英会会長
玉井 義臣 氏
あしなが運動半世紀の真相を語る
2012年4年30日リリース

社会運動家・社会運動研究家
渡部 富哉 氏
白鳥事件は冤罪ではなかった!
2012年3年16日リリース

憲法学者
杉原 泰雄 氏
危機の今こそ『憲法』を読み直そう
2012年2年15日リリース

財団法人・日本サッカー協会会長
小倉 純二 氏
2015年の時点で日本代表チームの世界トップ10入りを目指す!
2012年1年30日リリース

元公明党委員長
矢野 絢也 氏
中央政界を45年間、見続けて
2011年12年14日リリース

産経新聞OB・帝京大学名誉教授
福井 惇 氏
昭和の事件記者が吼える「記事は足で書け!」
2011年10年28日リリース

元内閣官房長官・大蔵大臣
武村 正義 氏
今こそ新たな政治改革を実行する時だ
2011年9年9日リリース

元内閣官房長官・自民党幹事長
野中 広務 氏
混迷の時代を斬る
2011年8年24日リリース

劇作家
山崎 正和 氏
新聞は責任感ある第4の権力であり続けてほしい
2011年7年18日リリース

ジャーナリスト
本多 勝一 氏
私のメディア論
2011年6年29日リリース
●新聞・テレビ・ネットで伝えられない情報を週3回発信
●新聞各紙OB や学者、弁護士、企業トップら同人186 人が執筆
●東日本大震災直前の2011 年3 月から発信、1400 号を突破!
●特別インタビューで秘話を掲載(本多勝一氏、山崎正和氏、野中広務氏、武村正義氏、福井惇氏、矢野絢也氏、小倉純二氏、杉原泰雄氏、渡部富哉氏、玉井義臣氏、緒方四十郎氏、山岸章氏)
詳細はメディアウオッチ100とは?ページをご参照ください。
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